企画セッション
コンテンツ
概要
企画セッションは参加者にとって関心が高く,より詳細な研究テーマに焦点をあてたセッションです.
企画セッションの講演原稿のフォーマット,投稿方法,1スロットあたりの発表数(3~4件の発表で構成),講演時間等は一般セッションと同じです.ただし,オーガナイザの裁量で1スロットにつき講演1件分を議論の時間にあてることができます(3件の発表+議論とすることができます).セッションの時間帯やスロット数は,大会プログラム作成時に全国大会委員会大会プログラム部会にて講演申込み数や全国大会全体の構成に応じて決定いたします.講演申込みは大会Webの講演申込みサイトより,一般から公募いたします.また,企画セッションでの発表も大会奨励賞の対象となります.
カテゴリ表
企画セッションのテーマは一般セッションよりも特化したテーマに焦点があてられていることが望まれます.
テーマご提案の際には,一般セッション講演募集用のカテゴリ表を参考にしてください.
オーガナイザにご担当いただく事項
発表募集の広報
企画セッションの概要は全国大会Webページに掲載されます企画セッションのプログラム(発表順)の決定
発表申し込み数によっては,一部の発表を一般セッションに移動する必要が生じます.
その際,オーガナイザには一般セッションに移動する発表を決定していただきます.座長の選定
原則としてオーガナイザが座長をご担当ください.セッションが複数になった場合は,各セッションの座長を異なるオーガナイザで担当していただきます.当日のセッション運営
企画セッション一覧
先進的学習支援技術とユーザインタフェース
オーガナイザ
中山洋(東京電機大学)
概要
先進的学習支援技術とユーザインタフェースをテーマとした本セッションでは,仮想現実(VR),ヘッドマウントディスプレイ(HMD),ジェスチャ入力,3D技術,可視化,シミュレーションといった革新的な技術を活用した学習環境の最前線を探ります.まず,VRやHMDの活用により,従来の教育では実現が難しかった没入感のある体験型学習を可能にし,学習者のモチベーション向上や理解促進について検討します.また,ジェスチャ入力を用いた直感的な操作や,3D技術を駆使したデータや情報の可視化により,学習プロセスをよりインタラクティブで効果的な手法について議論します.さらに,シミュレーション技術を通じて,現実世界では実践が難しいシナリオを安全かつ効率的に体験できる環境についても検討します.本セッションでは,これらの技術が教育分野にどのように活用され,学習成果を高めるかについて具体例を交えながら議論し,新たな学びの可能性を模索します.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術 → 先進的学習支援技術 → ユーザインタフェース
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
キーワード: 仮想現実(VR),ヘッドマウントディスプレイ(HMD), ジェスチャ入力,3D,可視化,シミュレーション
テーマ独⾃のキーワード:革新的な技術を活用した学習環境
教育における⼼理的安全性の必要性と課題
オーガナイザ
⽥中洋⼀(仁愛⼥⼦短期⼤学),⼭川修(Safeology研究所),多川孝央(筑紫⼥学園⼤学),藤平昌寿(Safeology研究所),三井規裕(桃⼭学院⼤学)
概要
ハーバードのエイミー・C・エドモンドソン⽒が提唱した⼼理的安全性(psychological safety)は,Googleの「成功するチームの構築に最も重要なものは⼼理的安全性」というプロジェクト結果によって広まった.ユーリア・エンゲストロームの探究的学習では,正当な学習の動機づけとして,認知的コンフリクト(⽭盾,葛藤,対⽴)が前提となる.そのためには,モヤモヤだけでなく,⾃⼰のミスや他者への改善提案を伝えられる⼼理的安全性が教育や研修の場でも⼤切である.これらは昨年度企画したエージェンシー(変⾰を起こすために⽬標を設定し⾏動する能⼒)の育成にも重要な概念といえる.そこで,本企画セッションでは,教育における⼼理的安全性の必要性と課題に関する理論的および実践的研究を広く募集する.ここには,我々が今まで企画したセッションテーマである「対話」「社会情動的スキル」も含まれるので,是⾮応募していただきたい.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 教育・学習⼿法 → 協調学習
キーワード: コミュニケーション⽀援,コミュニティ⽀援,グループ学習
テーマ独⾃のキーワード:⼼理的安全性,チームビルディング,リーダーシップ
地域DX(メタバース,生成AI等の活用)と探究学習支援
オーガナイザ
宮下伊吉(大阪大学),鈴木伸哉(三重大学)
概要
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)では,デジタル等成長分野を支える人材育成の抜本的強化という課題に対して,ICTを活用した文理横断的な,探究的な学びを強化する学校の取り組みに必要な環境整備のための費用が支援されています.その一方で,DXハイスクール採択高校だけでなく,学習指導要領の改訂により必修となった探究学習に取り組むすべての高校現場からは,教員の負担増という問題が生じています.また,高大連携において,模擬講義の講師や実験体験等で高校生に対する指導的な役割を果たしてきた大学教員にも,高校生が主体的に課題を見つけ,自ら取り組んでいく探究的な学びを支援する役割や,先進的な学習支援などの役割が新たに求められるようになってきています.なかでも,地域課題に対してデジタル技術を用いて解決を図る地域DXも注目され,対応できる人材が求められています.
そこで,本セッションでは,先進的学習支援として,生成AIや仮想現実(VR),メタバース等の活用を通して,課題の発見等に取り組む高校生が主体的・協働的な学びに向かえるようになることを目指した実践研究の報告とDX体験(生成AI,メタバース,ヘッドマウントディスプレイ等)の機会を設定します.先進的学習支援や探究的な学びの支援に取り組む研究を高大にかかわらず幅広く募集し,デジタル等成長分野を支えるイノベーション人材の育成に向けて,より多くの方々と議論を交わしたいと考えています.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 教育・学習手法 → 連携型教育
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
技術 → 先進的学習支援技術 → ユーザインタフェース
キーワード: 高大連携,リフレクション支援, 生成AI,仮想現実(VR),拡張現実(AR),ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
テーマ独⾃のキーワード:メタバース,教育DX,地域DX,探究学習
インストラクショナルデザインとラーニングテクノロジーの融合による教授システム学の革新と未来
オーガナイザ
合田美子(熊本大学),久保田真一郎(熊本大学),喜多敏博(熊本大学),マジュンダール・リトジット(熊本大学)
概要
本企画セッションは,熊本大学大学院教授システム学専攻の設立20周年記念事業の一環として開催され,インストラクショナルデザイン(ID)とラーニングテクノロジー(LT)の融合による教育デザインと学習支援の進化を探ることを目的とする.近年,AIやVRの進化,適応学習システム,学習データの可視化技術の発展により,学習支援の在り方が大きく変化している.本セッションでは,これらの最新の研究動向を踏まえ,IDとLTの相互作用を分析し,より実践的な教育デザインへ発展させる可能性を議論する.また,国際的な研究ネットワークの形成や協働の重要性にも焦点を当て,教育システムのグローバルな発展を促進するための連携のあり方について考察する.さらに,異分野融合の視点を取り入れ,教育DXの進展におけるIDとLTの役割を明確にし,持続可能な学習環境の構築に向けた新たな課題と展望を示す.本セッションでは,IDを主に扱う研究・実践者,LTを主に扱う研究・実践者の交流も目的としており,異なる専門性を持つ研究者が対話を通じて相互理解を深め,共同研究の可能性を模索する機会としたい.本セッションを通じて,IDとLTの研究者が互いの視点を学び合い,新たな共同研究や実践的アプローチの創出につなげることを目指す.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 設計 → 授業設計・インストラクショナルデザイン
支援対象 → 設計 → 学習環境デザイン
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
キーワード: デザイン研究,カリキュラムデザイン,授業実践,授業評価,研修設計,LMS,ポートフォリオ,AI,エージェント,適応的支援,リフレクション支援
テーマ独⾃のキーワード:教授システム学,ラーニングテクノロジー,eラーニング専門家
インスティテューショナル・リサーチ(IR)におけるデータ駆動型意思決定の進化:教学マネジメントとデータサイエンスの融合
オーガナイザ
高松邦彦(東京科学大学),上野春毅(公立千歳科学技術大学),本多俊一(公立千歳科学技術大学),松田岳士(東京都立大学),木下淳博(東京科学大学)
概要
近年,高等教育機関におけるデータに基づく意思決定の重要性が国際的に高まっている中,IRとデータサイエンスの融合は新たな段階を迎えています.本セッションでは,教学マネジメントにおけるデータサイエンスの活用に焦点を当て,特に学習成果の可視化,教育改善のためのデータ分析手法,そして意思決定支援システムの開発について議論します.具体的には,機械学習を活用した学生支援モデルの構築,教学IRにおけるビッグデータ分析の実践事例,質保証のためのデータ統合基盤の設計などを取り上げ,理論と実践の両面から検討します.本セッションを通じて,IRの高度化に向けた方法論の確立と,データサイエンスを活用した教学マネジメントの新たな可能性を探求することを目指します.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 分析・評価 → 学習者特性・行動分析
キーワード: 教学インスティテューショナル・リサーチ(IR)
テーマ独⾃のキーワード:Institutional Research(IR)
教育DXと実世界指向学習環境
オーガナイザ
高木正則(電気通信大学),佐々木整(拓殖大学),鷹野孝典(神奈川工科大学),三石大(東北大学),光原弘幸(徳島大学)
概要
携帯情報端末や高速無線通信,身の回りの様々なモノをコンピューティングの対象とするIoT,実世界と仮想世界を融合した学習環境を提供するXR(VR/AR/MR)に加え,近年は生成AIの急速な発展など,新しい教育学習環境を切り拓く技術が次々と社会に浸透しており,このような新技術は教育学習環境を大きく変えようとしています.
また,教育学習環境のオンライン化の浸透とともに,教育現場におけるDXへの関心が急速に高まっています.学び方や教え方のパラダイムシフトの必要性や可能性を実感する一方で,実際にその場に訪れ,人やモノと接することでしか得られない体験を通じた学びを提供する実世界指向の教育学習環境の重要性も指摘されています.
こうした教育学習環境の急速な変化を踏まえ,新技術の活用による「教育DXと実世界指向学習環境」について,そのための教授設計も含め, システム・基礎技術の開発, 実践, ならびに, 新しい教育・学習手法に関する研究発表を募集し, 共に考える議論の場としたいと考えています.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術 → ICT活用 → デバイス活用
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
技術 → 先進的学習支援技術 → ユーザインタフェース
キーワード: モバイル,ユビキタス,ウェアラブル,IoT,ゲーミフィケーション,仮想現実(VR),拡張現実(AR),HCI,アウェアネス,センサーデバイス,生成AI
テーマ独⾃のキーワード:個別最適化,パーソナライズ学習,教育DX,実世界指向学習環境,複合現実(MR),クロスリアリティ(XR)
認知スキーマのモデリングと学習支援システム
オーガナイザ
古池謙人(東京理科大学),油谷知岐(香川大学),芦田淳(大阪大学),森田海(福井工業高等専門学校)
概要
これまで,様々な学習支援システムが学習目標・習得すべき知識やスキル・学習の困難性・支援手法のパッケージとして提案されている.しかし,異なるシステム間で同じ知識やスキルの学び(認知スキーマ形成)を目指す場合でも,それぞれが独立に問題解決過程を設計する必要があり,システムの相互運用性が低く,知見の蓄積が困難である.これを解決するためには,学習支援システムにおいて認知スキーマの形成をどのようにモデル化しているかの知見を集結させ,それらをどのように共有可能な形で定式化していくべきかを議論する必要がある.よって本セッションでは,認知スキーマのモデリングに基づく学習支援システム開発事例や,計算機処理可能な認知スキーマの表現方法,認知スキーマの自動抽出,学習支援システムの相互運用性向上に関する研究発表を募集する.特に,認知スキーマに関する工学・科学を問わない多面的な知見を活かし,認知スキーマに基づく学習支援システムの設計理論と共通概念基盤の確立に向けた議論を展開したい.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
技術 → 先進的学習支援技術 → モデリング技術
キーワード: 適応的支援,抽象化支援,学習者モデル,ドメインモデリング
テーマ独⾃のキーワード:認知スキーマ,知的学習支援システム,教育システムの相互運用性
医療者教育における新技術活用
オーガナイザ
真嶋由貴恵(大阪公立大学),木下淳博(東京科学大学),須永昌代(東京科学大学),杣木佐知子(大阪医科薬科大学),米満潔(佐賀大学),合田友美(千里金蘭大学),菊原美緒(名桜大学),白石祈枝(産業医科大学)
概要
本企画セッションでは,医療職等の教育分野での課題を明らかにし,ICTによる教授方法の工夫やAR,VRやXR,センシング,IoT,AI,エージェントなどの新たなツールの活用,教育評価におけるビッグデータ解析,IRなどから明らかになった新たな知見やDXに関する研究報告を募集し,近未来の医療者教育について議論いたします.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 領域別教育 → 医療・看護・福祉教育
キーワード: 医療者教育,専門職教育,継続教育,社会人教育,施設内教育,研修デザイン,スキル学習,健康教育,患者教育,ロボット・AI・IoTの活用,質保証,eラーニング,臨地実習支援,AR/VR/XR,MS,評価手法,ユーザインターフェース,DX
これからの学習を生み出す学習デザイン・支援システム・分析
オーガナイザ
松浦健二(徳島大学),後藤田中(香川大学),高木正則(電気通信大学),近藤伸彦(東京都立大学),白澤秀剛(東海大学),山元翔(近畿大学),林佑樹(大阪公立大学),油谷知岐(香川大学),吉原和明(近畿大学)
概要
古典的な学習の場である教室での対面一斉授業から離れた「場所・時間によらない学び」や,問題解決スキルや批判的思考スキルの涵養といった「知識伝達に留まらない学び」など,多様な学習機会の提供に目掛けた教育・学習支援システムの開発が進んでいます.それらは,遠隔ライブ授業,オンデマンド動画授業,モバイルラーニング,eラーニングなどをベースとしつつ,インストラクショナルデザインに基づいた設計や,ラーニングアナリティクス,AIを活用したパーソナライズなど多種多様な工夫によって成り立っています.本セッションでは,これからの学習を生み出す学習デザイン,さまざまな学習機会を提供する学習支援システムについて,システムの設計,効果的な活用方法,そのシステムの裏にある学習デザイン,システム利用者の学習分析などについての研究を広く募集します.なお,本セッションは,学会誌2027年度発刊特集論文(2026年6月投稿締切予定)の企画と連動するものです.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 分析・評価 → 学習者特性・行動分析
支援対象 → 設計 → 授業設計・インストラクショナルデザイン
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
キーワード: 学習履歴分析,学習理論,カリキュラム・デザイン,AI(人工知能),リフレクション支援
テーマ独⾃のキーワード:オンデマンド学習,モバイルラーニング,マイクロラーニング,個別最適な学び
学習・教育支援における生成AI利活用のデザインと実践
オーガナイザ
柏原昭博(電気通信大学),山本樹(文部科学省),小松川浩(公立千歳科学技術大学),松居辰則(早稲田大学),松浦健二(徳島大学),長谷川忍(北陸科学技術大学院大学),小尻智子(関西大学),曽我真人(和歌山大学)
概要
ChatGPTをはじめとする生成AIは,人間の学習や教育支援における様々なタスクを代替可能とする機械学習基盤ツールであり,人間の学びや教育そのものを大きく変えてしまう可能性を持ったAI技術として注目を集め続けています.特に,対話を通じて問題や課題を解く,あるいはヒントを得る上での有用性が浸透してきました,また学習・教育向けリソースを作成する実践も見られるようになってきました.一方,生成AIが個々の学習者や学習場面において必ずしも適切な情報を生成できるとも限らず,また学習者の主体的な思考を妨げる危険性もあり,学習・教育用ツールとして利用する上での学習文脈上の適性や倫理的な課題も出てきています.学習者や教育者にとっては,生成AIの特徴を踏まえた上で,適切に活用するための生成AI適用デザインや実践からの知見共有がますます重要です.本企画セッションでは,生成AIや機械学習技術ベースの学習・教育支援システム研究を広く募集し,生成AIを人間の学習に利活用する上でのデザイン論や実践を通じた知見について多面的に共有し,今後の学習・教育支援のあり方についての議論を深める場としたいと考えます.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術→先進的学習支援技術→先進的学習支援
キーワード: AI,生成AI,機械学習
テーマ独⾃のキーワード:適応的学習支援,Scaffolding,モデリング
お申し込み方法(既に申し込みは終了しました)
以下の項目をご記入の上,全国大会委員会プログラム部会(taikai-pc-ml@jsise.org)宛まで電子メールにてお申し込みください.
※送信後に投稿が保留された旨のメールが自動的に届きます.それとは別に後日受付の連絡をさせていただきますので,お待ちください.
テーマ(企画セッション名)
概要(400文字程度)
テーマが該当するカテゴリ,分野(カテゴリ表より選択,多くて2〜3個を目安としてください)
テーマが該当するキーワード(カテゴリ表中のキーワード)
テーマ独自のキーワード
オーガナイザ全員の氏名と所属,代表者の連絡先(電子メールアドレスなど)
※オーガナイザは教育システム情報学会会員に限ります.
申込期限 2025年2月14日(金)
※2025年2月21日(金)までに採録結果を通知いたします